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ルーチンワークを考える 

(R元年6月15日)

大スパン建物 (その1)

大スパン建物(その1)

当方の「ご支援」における「実務の構造計算」からの学びの対応です。

世の中、性能設計への移行から健全な「塑性変形能力」の確保に苦心することが多い。

鋼構造では重要な要素が、「横座屈阻止」や「保有耐力横補剛」となります。

「横座屈」とは、はりが材軸を通る鉛直面と直角方向に座屈する現象をいう。

ならば、横補剛とは、この現象を生じないように、梁の水平方向の変形を拘束すること

となるのです。Lateral reinforcement (英字)と言われるものである。

鉄骨構造における梁の変形能力を確保する方法の一つとして「保有耐力横補剛」がある。

梁の変形能力を制約する要因として考えられるのは、「局部座屈」と「横座屈」です。

第1種保有耐力横補剛 → 梁の端部が塑性状態になる梁に対して横座屈をさせない補剛。

第2種保有耐力横補剛 → 終局時に梁の端部が塑性状態にならないが、隣接する材の端部が塑性状態になるまで横座屈をさせない補剛。

はりの横補剛による変形能力確保(=保有耐力横補剛)については、黄色本と呼ばれている

[技術基準解説書]の 621~624ページに詳しく解説されています。

この解説にあるように、横補剛間隔、補剛材の強度と剛性に関する諸条件を満たす梁は、

「保有耐力横補剛されている」となるのです。

最近多く手掛けている「工場」の鉄骨造では、いきなり、大スパン建物を要求されます。計画スパンも30m~35mの柱なしの耐震空間の要求ですから、「ルーチンワーク」に

おいて部材の骨組み架構形式をどのようなものにするかで初期段階から悩まされます。

それは、即、建設コストに跳ね返ってくるからなのです。既製鋼材を組み立てるのか、

あるいは「システム建築」となるのか、鋼材ton数の算出が先に机上論となります。

「平行弦トラス」などハニカム形式には「加工費」ばかりが膨れ上がります。

だから、結果として「応力の予測」と「適正架構形式」のマッチングに時間を取られます。

毎回のように、このマッチングに構造知識をフル動員とならざるを得ないのです。

まさに「時間」との戦いとなっています。

(R元年6月25日)

大スパン建物 (その2)

大スパン建物(その2)

当方の「ご支援」における「実務の構造計算」からの学びの対応です。

前回の鋼構造の大スパン建物において、鉄骨加工の工場から建設場所への製作ユニットに理解が必要となります。すなわち、「車両制限令による輸送可能範囲」である。

公道通行を許可取得するのに「特殊車両通行許可証」や「制限外積載許可証」なるものが

警察署に許可申請となるのです。おおむね、以下の基準に従います。

  • 積荷の長さ(車両+積荷)は、車両長×1倍まで、かつ、17m以内 (ポールトレーラーを除く) 限度とする。
  • 積荷の幅は、車両荷台幅以内を標準とするが、積荷の分割が不可能な場合には、5mを限度とする。
  • 積荷の高さは、[ 3.8m-車両荷台高さ-台木高さ(0.1m) ] とするが、分割不可能な

場合には車両積載高さで4.3mを限度とする。

  • 総重量は車両の積載能力以内であっても総重量40 ton以下を限度とする。

トラックには、さまざまな形式があることを理解する。

「馬積み」「高床式セミトレーラー」「中低床式セミトレーラー」「トラックポール」

「トラクタポール」など、日本橋梁建設業協会等により資料があります。

陸路が無理な巨大なものは「海上輸送」もありますが、港湾との連携が問題となります。

鉄骨製作工場から建設場所までの「公道」の完全な把握が必要となるのです。

毎回のように、この製作ユニットを考慮しながら「ファブリケータ」からクレームのない継手位置を考慮に入れています。ですから、これは「時間」との戦いとなっています。

継手位置も大きくすると、ブラケット加工で支障が出てきます。

「ファブリケータ」から教わることが多いのです。

 

 

(R元年7月05日)

長大な建物 (その3)

 

長大な建物 (その3)

当方の「ご支援」における「実務の構造計算」からの学びの対応です。

過去に京都府綾部市の工業団地にて長大な建物の構造設計を経験しました。

その建物は、「地下鉄」「地下トンネル」の掘削に使われる「シールドマシン」を生産する京都市に本社のある著名な大企業の地方都市での「生産工場」であり、長さ240 mです。地方都市での請負建設会社には「仮設材リース」となりましたが、80 mごとに分割移動を繰り返す建設工事になったと記憶しております。

当然、長大な建物なので、「温度応力」にも対応しています。気象庁より公表されている

その地方の一日の気温差 = 「日較差」として「鋼材の線膨張係数」を建物長さに乗じれば

伸び量として水平変位が出てきますので、「その対応」を組み込むのです。

沖縄から北海道までの「ご支援」においては、その地方の気象庁からの公表データが実務にとても大切になります。気象データに載らない地方は、日本建築学会の「建築物荷重

指針・同解説 2015」に準拠して進めます。北海道など広大な地域では「気象データ」にも

札幌地方気象台のデータを参考にしています。道条例による「凍結深度」も同じです。

全国各地のご支援から南北≒ 3,200 km の日本列島の長大さにも感心しています。

長大な建物に対しての「伸縮継手」は、おおむね、長さ50 mごととしています。

最近では、出来る限り「初期段階の構造計画時」に地元の「ファブリケータ」にも事前の

ご協議により「鋼材の入手」や「技術テクニック」にご意見を頂きながら進めています。

 

 

(R元年7月15日)

類似案件の建物 (その4)

類似案件の建物 (その4)

当方の「ご支援」における「実務の構造計算」からの学びの対応です。

最近多い鋼構造の建物において、形式の似通った「類似建物」があります。

消費増税の迫る時期に駆け込み案件なのですが、不確定要素が多く「結論」が出ない

ままどんどん計算実務が先走りせざるを得ない局面が多くなっています。

耐震設計ルートも色々であるが、出来る限り「ルート②」を優先に構造計画となります。

場合によれば「ルート①-2」ですが、この計算ルートはCo を0.3以上にさせた上に

ルート②と同様の「塑性変形能力」を求めるものですから「うまみ」はなしです。

極力、ルート③を避けての構造計画を要求される方が多く、「適合性判定」の事務の

煩雑さや構造設計費用の増大を懸念されるのでしょう。

多くの「工場建築物」は、「ゾーニング設計」による「純ラーメンとブレース構造」の

組み合わせ形式なのですが、「ルート②」や「ルート①-2」では「偏心率の算定」が

義務付けられていますので、全柱の「変位と剛性」を調べる必要から計算事務量が

膨大となってしまうのです。そのことに理解のない依頼者にはご遠慮しています。

特に、クレーン付きの場合は、「クレーンの最も不利な位置」も考慮となります。

ルーチンワークでは、「真夜中の作業」がほとんどなのです。大切なデータ処理に

一貫計算プログラムの使えない構造形式に「個別計算」のオンパレードなのです。

ですから、出来る限り「邪魔の入らない真夜中の作業」となってしまうのです。

翌朝、「メール」で「ちゃぶ台」をひっくり返すのがほとんどなのです。

確定しない案件なので致し方ありませかんが・・・辛い話です。

 

(R元年7月25日)

ボランティア・イズム (その5)

ボランティア・イズム (その5)

当方の「ご支援」における「実務の構造計算」からの学びの対応です。

時折、一貫ソフトプログラムの担当営業マンと電話することがあります。

毎回、その営業マンは「なぜボランティアなのですか」が多いのです。当方のHPにある「人生のライフワーク」だと説明しています。

元建築士の耐震偽装に端を発した「法改正」から早くも10年過ぎようとしています。

その間、神戸・三宮の「確認検査機関」を出て、子会社にも出向きましたが、「やることが出来た」と方針転換して「全国移動の構造のご支援」です。ピークには都内も10ヶ所以上会場を確保して、東洋メディアサービス㈱さまには「DVDセミナー」までご協力でした。

当方の前を通り過ぎられた一級建築士は、おそらく3,000人近いと思います。

このような「人脈」が「財産」です・・・それが「ハシテック・イズム」でしょう。

今、回想的に思うには、霞が関理論は国民向けにポーズのみである。

当方の活動は、全国組織の確認検査機関の幹部の方が「滅私奉公」と言われ納得しました。

でも、やりたいこととして「全力投球」させて頂けるステージに感謝以外ありません。

背番号「51」の「鈴木一朗」さんは、今後、「草野球」に頑張るそうです。

人がやらない取り組みに、益々「全力投球」を覚悟して頑張ります。

そのためには「体調管理」に気を付ける以外ありません。

次回は、「地方都市にこだわる」理由です。

 

 

(R元年8月05日)

地方都市にこだわる (その6)

地方都市にこだわる (その6)

当方の「ご支援」における「実務の構造計算」からの学びの対応です。

最近、北の大地である「北海道」への往来をさせて頂いております。

新千歳空港に近い「札幌」ではなく、「道東・十勝」です。関西からの直行便は「釧路」

経由でのリムジンバスの移動で、関西から十勝に約4時間掛かります。

真冬に経験した「氷点下23℃」にノートPCはフリーズしてしまいました。

しかし、人口より牛の数の多い「酪農地帯」で「日本の食生活」を支えている地域です。

夏には是非「長期滞在」したい場所です・・・時間に追われずに。

南の「沖縄」も10年間、通いました。そして、「島の方々」のご支援も尽力させて頂き

様々な人生ドラマも見ました。

当方が「地方都市」にこだわる理由は、私自身の生い立ちに関わります。

大阪から3時間の「日本海側の田舎町」で育ちましたが、「教育」に恵まれず、「東京」や

「大阪」「神戸」へ郷里を離れるのがほとんどです。

北近畿・・・と呼ばれ「真冬の鉛色の空」から解放されるのは3月のお彼岸過ぎです。

そんな郷里から「京阪神」にあこがれるのは誰でもです。

苦しい「学びの壁」は、「東京」「大阪」への日本建築学会の勉強会に頻繁に往来して、

つくづく「距離が阻止の壁」と気付き、現在の居住地となったのです。

郷里には「お墓」もあります。春・秋の「墓参」も元気な限り往来しています。

それが、「地方都市でのご支援」にやる気を起こす一因かも知れません。

「人生のライフワーク」として頑張れる幸せに感謝しています。