CLTパネル工法を考える-1
(R4年4月15日)
CLTパネル工法の現状 (その1)
CLTパネル工法の現状(その1)
この内容は、R3年晩秋に高知県での「移動執務室」車内で滞在した時のものです。
この論評では「政治イデオロギー」は挟みません。日進月歩の技術革新の進む我が国の
CLTパネル工法について考えて見ますと、設計段階も含めてまず「現状認識」となる。
R3年10月には「木材利用促進法」の改正があり、公共建築に官公庁発注が促進される。
我が国の国土面積は約3,780ha(外務省資料)に対して、森林面積は約2,500ha(林野庁資料)となっており約66 %が森林である。国産木材供給量は、住宅着工数の減少や木材輸入の
全面自由化等により長期的に減少となっている。
上記の「社会環境」から、住宅だけに限定せず多用途に「森林資源」の活用が期待される。
過日、とある方から「史跡上屋」を大断面木造建築物として公共建築の発注が見込まれており構造支援の打診でした。しかし、大スパンの覆い屋根架構に「文化庁」の税金使用
となり会計検査院の監査も付き、技術事務量も多く最後には「集成材業者」に翻弄される。
いつもなら、「未確定」であっても「ルーチンワーク」に着手ですが、見送りました。
結論から言うと、企業論理優先となり「利潤」が伴わないプロジェクトには敬遠です。
これは、主として論じる「CLTパネル工法」も現状認識から見て同類である。
「木材利用促進法」の改正により推進・旗振りされても設計段階も含めて、様々な問題
提起をして見ると、改善方向も利用促進の弊害になるものに気が付くはずである。
教育事業を全国各地に展開しており、大断面木造建築物のルーツは「北海道」にある。
たまたま、北海道開発技術研究発表会論文を垣間見ながら網走・旭川開発建設部の考察に
私見も含めて論評して参ります。土井 雄也・田中 翔大の両氏に敬意を表します。