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学び(連載)

せん断抵抗を考える-44 

(R4年9月15日)

荒川式の考察(その44)

荒川式の考察(その44)

この論評は、約6年前に書き下ろし公開したものを推考し直したものです。

増刷の続く「黄色本」の記述の中に、たびたび登場する「荒川式」であるが集約して見ます。

まず「荒川式」には係数0.068を用いる「mean(ミーン)式」と係数0.053を用いる

「min(ミナマム)式」がある。これらの違いは「せん断抵抗を考える-2」で記述したが

係数α、βについて平均値を推定する場合⇒「mean(ミーン)式」← 告示式

係数α、βについて不合格率5%の下限値を推定する場合⇒「min(ミナマム)式」です。

例えば、柱、はりについて、せん断耐力式に「荒川min(ミナマム)式」を用いる場合

告示の式「荒川mean(ミーン)式」に比べ1.1倍程度の余裕度があると考えられる。

従って、告示(平19国交告第594号第4の三)の表に示す割増し係数「nの値(1.1、1.2、1.25)」について1.1で除した値も方法が論じられる。

この事は、2020年版黄色本P-406に記述がある。

柱の修正荒川mean式に関する記述は、2020年版黄色本P-665~P-667付近にあるが、

式として

Qsu = BQsu +0.1σ0 bj

であり、軸力の影響を受けるので、σ0を指標にした式

Qsu = (0.9+σ0/25) BQsu

も示され、BQsu’は、はりの係数0.068の「荒川mean(ミーン)式」である。

また、耐力壁のせん断終局強度では、無開口の場合、2020年版黄色本P-676に下式の記述がある。

Qwsu = {略}tej ・・・(N)⇒(付1.3-32)式 / min式

Qwsu={略} tej ・・(N)⇒(付1.3-33)式 / mean式

上2つの式は、2020年版黄色本P-676に記述があるように

(付1.3-32)式 / mean式 → せん断強度について実験値を平均的に丸めたもの

(付1.3-33)式 / min式 → せん断強度について実験値を安全側に丸めたもの

なので、「荒川式」は基本的に「平均値 / mean」と「安全値 / min」の2式構成である。

 

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