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学び(連載)

せん断抵抗を考える-55 

(R4年9月25日)

志賀敏男先生の研究(その55)

志賀敏男先生の研究(その55)

この論評は、約6年前に書き下ろし公開したものを推考し直したものです。

地震が発生するたびに、RC造では重要な指標がある。「せん断抵抗を考える」と必ず

耐震要素である「水平断面積」が論じられる。この事について論評します。

忘れてはならないのが、「黄色本」にも頻繁に出てくるルート1では以下の式である。

Σ2.5αAw +Σ0.7αAc ≧ ZWAi

この式こそ、東北大学名誉教授であった「志賀敏男先生」の昭和56年宮城県沖地震による

鉄筋コンクリート造の建築物の被害度を学生諸君と一緒に調査され著名な方です。

左辺式は、鉛直部材の水平強度を理論解析や実験結果に基づく単位強度(2.5α、0.7αの値)から求めて、それらの総和を建築物の水平強度とするのです。

右辺式は、耐震的に必要と考えられる所要強度を振動理論と地震被害の結果の解析(これが

大変な作業だったはず)等に基づくもので、それらの耐震性の比較検討式なのです。

故志賀敏男先生は、大正12年(1923年)東京で生まれ、昭和18年に東京帝国大学に入学され、第二次世界大戦中の学生生活から昭和21年工学部を卒業後、東京大学大学院の武藤

清先生や、梅村魁先生の下で建築耐震構造の研究に従事された立派な方です。

昭和40年から東北大学工学部教授に昇任されてから地震と被害の研究となり、特に昭和

43年の十勝沖地震によるRC造の中低層建物に激しい被害を受け、被害の詳細な分析から

柱と耐震壁の量に基づく耐震性能を評価する「志賀マップ」の手法を創案されました。

志賀マップは、縦軸に{略} (kg/㎠)を、横軸に{略} (kg/㎠)で被害建物をプロットして

×はランクⅡ(中破以上の被害)、〇は無被害又は軽微な被害を示し、その中に指標の式に

なるボーダーラインを表示したものです。

「縦軸」は、壁・柱の均しのせん断応力度を示しています。

「横軸」は、壁量を示しており、これは、ルート2の規定にも利用されています。

 

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