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学び(連載)

「崩壊形」を学ぶ-4 

(R5年5月15日)

崩壊形(その4)

崩壊形(その4)

この連載資料は、昨年の夏(令和4年6月~8月)に長期滞在した北海道紋別郡西興部村のコテージ生活の中で書き下ろしたものです。構造設計の実務や審査で、「崩壊形」に必要となる知識に限定して、情報を開示して参ります。著作権にご注意下さい。

耐震計算(二次設計)の方針で「崩壊形」に関連して「保証設計」が出て参ります。

これについて、噛み砕いてわかりやすく解説と説明をいたします。

「保証設計」って何だろう・・・何に対して、何を保証するのかが解れば理解できます。

法令や告示では、構造耐力上支障のある急激な耐力低下の防止(保証設計)としています。

だから、「急激な耐力低下の防止」の中にある「急激に耐力」が低下する要因を考えれば

健全な骨組みを形成させる為に必要なものも見えてくるはずです。そこが「学び」です。

前回は、「外力分布(必要保有水平耐力Qun分布の適用条件)」を説明したので、その先に

ある「保証設計」を掘り下げます。

 一般に、「耐震計算」では地震に耐えるのに「耐力(耐震)壁」の採用が多いのですが

「保証設計」を論じるにはスタンスが異なり、「靭性(粘り)」に期待した設計を扱う。

この事には、告示 平19国交告第594号第4が該当いたします。以下の解説内容です。

構造耐力上主要な部分である柱、はり若しくは壁又はこれらの接合部について、第一号に

おける架構の崩壊状態の確認・・・これが「崩壊形(崩壊メカニズム)」である・・・に

当たっては、局部座屈、せん断破壊等による急激な耐力低下が生ずるおそれのないことを要求しています。

 建築物に「靭性(粘り)に期待」して設計する場合、建築物全体が崩壊形(崩壊メカニズム)に達する以前に「せん断破壊等」を生じさせないだけではなく、設計上採用した構造特性

係数Ds値に相当する(NEW ・MARK理論のエネルギー吸収能力による減衰)塑性の変形量

に達するまでの段階 (塑性域における「塑性流動状態」=「塑性流れ」を意味する) でも

「せん断破壊等」を何があっても防止・阻止しなければ「崩壊・倒壊」につながるのです。

 次回は、「転倒に対する検討」を論じます。

 

 

 

 

 

 

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