(R5年6月15日)
鄙(ひな)の論理(その11)
鄙(ひな)の論理(その11)
この論評は、約6年前に書き下ろし公開したものを推考し直したものです。
俗にいう「耐震偽装事件」からの法改正もあり、既に幾度なく政令改正も施行されています。毎回の構造設計技術テーマから、少し着眼点を変えて「あるべき姿」のお話です。
なぜ「鄙(ひな)」をテーマに取り上げるかは、過去論評にあり割愛させて頂きます。
自分の若年期の生い立ち、田舎、陸の孤島など地方都市のコロナの影響で基幹産業の衰退
に憂い、過去には、国が変わらないなら地方から変わってみせると主張された知事や市長を
ご記憶もあるはずです。熊本県知事や島根県出雲市長がその方々でした。
人間の成長・社会の進歩は「変化の連続」であり緩やかな変化は中々気づきませんが
大きな変革は、黒船来航のように「異文化」の遭遇でカルチャーショックは文化較差の
はずみであったと思われます・・・時は流れ年号は既に「令和」も5年となりました。
HPの論評には「政治のイデオロギー」は持ち込みたくありません。各人の信条です。
熊本県知事は、人間回帰・生活原点こそ「地方文化」とされローカル色を全面的に
打ち出されオンリーワンの存在感を見せ付けられました。
あとは、首相までされて行動的な方だったのですが・・・時代の流れです。
出雲市長は、大学を地方分散させ、消費税を地方税として地方の居住環境整備を優先
して行い、若者の定着を計り中央とのコンプレックスを払拭する「鄙の論理」でした。
この「鄙の論理」に感銘を受けた方々も多くあるはずです。私もその一人です。
物事の俯瞰(みおろす)は、視点がとても大切に思えます。それは、私達建築技術者の
立場から「一人の元建築士の偽装事件」に端を発した世の中の推移の中にもあります。
根本的な原因の建築主事の審査能力に対して実務者依存の施策対応は不作為に映ります。
3年に一度の定期講習などは完全に中央の思惑通りですが既に「形骸化」しています。
超多忙な建築士の皆さんを一日中「上から目線」のような「修了考査付き」とした
拘束です。「飴と鞭」ではないが何か視点が間違っているように思えてなりません。
何故、「構造計算の出来る一級建築士」を施策として怠ったか・・・これが原因です。
総選挙のたびに「政治パーティー」が示す「選挙公約」は「空手形」ばかり・・・。
地方都市に住む者にしてみれば、県庁所在地へ受講に出掛けるのも「一泊二日」と時間も
諸経費も必要となり、徹底した無駄の削減が財政基盤を考えると国家の至上命題です。
昨年の夏季実施の「兵庫県知事選挙」の一票の行使権利も「東京→北海道遠征」と期間が
重複し義務を果たせず終わり、20年続いた「自治省出身の知事」から「若き指導者」です。
「初登庁の記者会見」では、「前例に縛られず、新しい事に取り組む」との事。期待します。
あとは、「知事議案の県議会の可決」次第です。
(R5年6月25日)
鄙(ひな)の論理(その22)
鄙(ひな)の論理(その2)
この論評は、約6年前に書き下ろし公開したものを推考し直したものです。
今回の「鄙(ひな)」をテーマに取り上げるのは、私自身の生い立ちと関わります。
兵庫県の日本海側の郷里は、都会から離れた土地、田舎と言われる地方都市です。
JR駅前商店街は人影もまばらであり、車社会から「路線バス」は取り残されています。
「コミューターバス」を行政が主導した形で運営されております。この地方には立派な
滑走路長さ1,200mの「その他の空港」があります。問題は空路ネットワークです。
静岡県に本社のある「FDA (フジドリームエア)」の航路開設に期待しています。もっと
「神戸空港」からの地方都市間の空路ネットワーク充実に期待しています。
元々、この会社は「鈴与グループ」の陸送がメインであり、「物→人」へ着眼点を早くに
切り替えられた経営者に拍手を送ります。航空法に拘束されながら「地方都市間」に
活路を見出されて、「小型JET」の機体をフル活用です。ローカル色を前面に出す経営姿勢
とは、やはり「陸送」からの気付きにある。そこに「学ぶ」べきものがあります。
JAL・ANA系列の「大樹に寄らば」ではない「鄙の論理」実践に見えるのです。
北海道で散見した、高規格道路の延伸もよく観察すると・・・「政治に翻弄」が見据えて
「我田引水(がでんいんすい)」が如くに見えてしまうが、「無料通行」が庶民にやさしい。
この言葉の意味 : 自分の田に水を引き入れるの 意から、もっぱら恣意的な取り計らいや
物事を運んだりするたとえである。
陸の離島となれば、尚更この傾向が顕著となります。
「陸路・鉄路・海路・空路」に現在の居住地は恵まれています。感謝以外ありません。
だからこそ、熟年期に「ご恩返し」の社会貢献いたします。
「構造計算の出来る一級建築士」になって欲しい・・・これが私の念願ライフワークです。
「二宮金次郎スタイル」を維持しつつ「間宮林蔵」にとなる「全方位見聞録」を昨年夏に決断したのもここにあります。
このことは、まさに「鄙(ひな)の論理」であり、考えさせられるものがここにあります。
(R5年7月05日)
鄙(ひな)の論理(その33)
鄙(ひな)の論理(その33)
この論評は、約6年前に書き下ろし公開したものを推考し直したものです。
季節的な要因として「春」は人生のスタートでもあり、毎年メディアが報じる言葉に
「甲子園」だの「宝塚」だの地名がTV映像とともに流れます。よくよく考えてみると
高校野球の球児の頂点が「甲子園」です。また、ミュージカルを目指す女性の願望先に
ある「宝塚」です。このローカル都市に住んで30年以上となりますが、「建築構造」の
ことしか興味のない世間知らずですから、世の中の推移に反省材料となっています。
領地拡大の戦国時代は昔話ですが、今は「広域行政圏」とか称して都道府県のブロック
形成や縦横連携もあります。ただ、残念なのは上下連携の「中央集権」が「鄙(ひな)」を
より形作らせるのです。消費者庁の徳島県へ、文化庁を京都府への話は大いに歓迎です。
安全保障会議に入る中央省庁の地方移転は、国会議事が東京で行われる限り考えられない。
今後、最新の土木技術による日本列島の山脈を貫通した「リニア新幹線」の開通もあり
「三大都市圏」の「東京」-「名古屋」-「大阪」は確実にネットワーク化されます。
「人」「もの」「お金」と「情報」がこの三大都市圏に集中するはずです。
静岡県に本社のある「FDA(フジドリームエア)の空路ネットワークに注目しています。
㈱フジドリームエアラインズ(英語 : Fuji Dream Airlines Co.Ltd、略称FDA)は、日本
の地域航空会社です。静岡空港(富士山静岡空港)と名古屋飛行場(旅客便による発着名は
名古屋 / 小牧)、神戸空港(大阪 / 神戸) を拠点に運行している。2009年7月23日に
運行を開始しています。
地方都市間網から「もの」の流れ、「人」の動きがすさまじく変貌して活動のあり方まで再考を余儀なくされる時代が見えています。この航空会社は登録16機・運用12機です。
南米・ブラジルの航空機メーカーのエンブラエル社の小型のJET「ERJ170(76席)」とか「ERJ175(84席)」の短距離輸送の滑走路長さ1,500mで離着陸可能なものです。
これがローカル輸送体系の着目点ですし、経営者の「着眼点」は他社との差異です。
政府は、東京一極集中是正に向けて総務省の「若者の地方移住」施策を実施していますが
ODA予算等とは比較にはなりません。都市と地方の乖離の本格的是正が「人口の均等化」
とともに「政治の課題」となるのは目に見えております。
結果を示す「コミット」の貢献がビジネスと同じく政治分野にも求められて、人口減少の
スピードは今後さらに加速され、「消滅する地方自治体」も出てきます。
「新しい高速交通体系」の活用から鄙(ひな)のあり方が様変わりとなれば「先」を見越した
「視点」も必要となります。
(R5年7月15日)
これからの鄙(その44)
これからの鄙(その44)
この論評は、約6年前に書き下ろし公開したものを推考し直したものです。
全国移動の執務体系となって15年です。元一級建築士の耐震偽装事件後に私の人生は
大きく様変わりし、「一回限りの人生」に悔いなく過ごそうと始まったのです。
札幌─仙台─東京─名古屋─大阪─広島─福岡─那覇と空路・陸路での移動生活でした。
最近は、コロナの影響で「西宮の臨時スタジオ」から、音声と映像のリアルタイムにて
「対面セミナー」と同じようにカリキュラムを進めています。
新型コロナウイルスの感染拡大等で「ウィルスの変異株」に翻弄され「ワクチン接種」に自衛隊まで駆り出す政権に、「人流とオリンピック開催」の成果論と選挙が見え隠れです。
幸いにも、十勝・帯広市の「内海 洋さま」の地域未来牽引企業として活躍から盟友と
なり、「フロンティア–スピリット」→「フロンティア–システム支援」へ舵を切りました。サテライトオフィス(出先拠点)の拡大をされ「コロナ禍」の中、経営姿勢に拍手です。
「高知県」→「鹿児島県」への「モバイルオフィス」の中では、地域に何が欠けており
何を加えれば「過疎地の活性化・雇用の創出」に・・・ばかりの「全方位見聞録」です。
これからの鄙(ひな)を考えると、ささやかなご支援であってもニーズがあればアクションをと思うのですが・・・「企業論理」には勝てませんでしたが、今は「着眼点」が異なります。
過疎や鄙(ひな)の心は、無尽蔵なものです。地理的要因で「学び」は制約されません。
「四国の葉っぱビジネス」等、その地の産物の有効利用も「情報化」が鍵となっています。
建設コンサルタントビジネスに関する移動での手荷物は「超薄型ノートPC」で十分です。
目指す「老後の隠居生活」は、「閑雲野鶴」の大型特別装備車によるミツバチ生活です。
移動建築士事務所は、ITデジタル化で土地に定着を限定せず、建築士のあり方の変遷です。
「晴耕雨読」の移動版のように、「寒い季節」には「暖かい地方」へ移動し、「暑い季節」には「涼しい地方」への気楽な暮らし方を「人生の楽園」と考えています。
そうすることで、自分自身の希求する「ライフスタイル」とマッチングするのです。
あちこちの地方都市の「疲弊化」した商店街と郊外型店舗の乱立から旧市街地のありさま。
見て歩くたびに思うのは・・・「鄙(ひな)の今後」です。なぜなら「郊外型店舗」も限界が
あり、消費者の賢い選択に取り残される大型店舗もあります。
「箱物」だけでは役立ちません。そこには「こと細かいニーズの汲み上げ」の対応が必要となり、賢い先見ビジネス構築に目を向けざるを得なくなるのです。
グローバルな「視点」もなければ取り残される可能性すらあります。
(R5年7月25日)
これからの鄙(その55)
これからの鄙(その55)
この論評は、約6年前に書き下ろし公開したものを推考し直したものです。
沖縄へのご支援を通して感じたものが「公務の一般登用」のチャンスに恵まれていたり
諸団体への加入率(例えば、建築士会は約10%程度)が本土に比べて高い数値を示しています。
なぜ、そうなるか・・・色々理由が考えられる。「島嶼の結いの精神」が真っ先に上がる。
琉球や日本人の原点である「邑(むら)」を意識し、お金ではなく行動で購い合える社会です。
「離島料金」・・・通販の送料を見ると登場します。「物流」にコストがかかるのです。
陸の孤島であっても熱心な学びをみれば「学びに鄙はなし」です。
「二宮金次郎スタイル」を維持しつつ「間宮林蔵」の「全方位見聞録」では、赴く先を
特定をせず、HPにある「フロンティア–システム支援」のお問い合わせのあった地方都市に出向き、見て・聞いて・記録するが前提となります・・・ある程度の事前調整済みです。 自然現象の厳しい土地での「構築物」の取組みに医学の総合医のような「英知の結集」を自己反省した記憶も脳裏をかすめます。常に「カスケード奇策」を練っています。
この建学精神は、石垣島出身の第7代早稲田大学総長・大濱信泉先生をみればわかります。
あとは、ご本人の「やる気」のスイッチがONになり、継続するかどうかです。
「一夜漬け」タイプの学びを垣間見たとき、やはりどの地も一緒と落胆を覚えました。
しかし、最近になり「天地人の三線」のようなご参加者も目に付くようになり将来の島の活性化にお役に立つなら「全身全霊」で取り組む決意を新たにしているところです。
島の方の健康的なお顔を見ると、「島唄」が見え隠れし時間のゆっくり流れる理想郷です。
過疎や鄙(ひな)の心は、無尽蔵なものです。地理的要因で「学び」は制約されません。
是非、「構造計算の出来る一級建築士」になって欲しい・・・これが私の念願です。
まさに「これからの鄙」を大切に育て、自分自身の「ライフワーク」とさせて頂きます。
(R5年8月05日)
これからの鄙(その66)
これからの鄙(その66)
この論評は、約6年前に書き下ろし公開したものを推考し直したものです。
コロナの影響で、「西宮の臨時スタジオ」からのZoomリモート対応となっています。
ウイルスの変異株の蔓延が顕著になり「桁外れの感染拡大」等で不安にかられており
「安全策」を最優先にカリキュラム進行としています。
今年のカリキュラムでは「新・基本学習編(全12回)」を一部改訂し、実力テストを毎回
最後にご用意しております。構1受験の出題形式の変更に対応するものとしています。
春先の「スタートアップ」と秋の「ファイナル」のみ対面・リモートとして開始し、中程
はすべて「Zoomリモート対応」としてカリキュラム進行ですから、受講も経費負担減です。
地球温暖化で「夏の北海道」も沿岸部を除き、本土並みの気温ですが、「風」が異なります。
「湿度」が低く、夏季長期滞在を予定しています。コテージからのZoom対応となります。
このご支援の先には、「これからの鄙」を見据えた当方の熱い思いが込められています。
是非、「構造計算の出来る一級建築士」になって欲しい・・・これが私の念願です。
若年期を地方都市に暮らして、「人」「もの」「お金」「情報」の中で、唯一苦しんだ苦い
経験をバネにした集大成なのです。
人間なんて「ちっぽけなもの」ですが、「コツコツ積み重ね」の重要性を見出して頂く
ように何事にも「初志貫徹」で取り組まれれば「鄙(ひな)」は理想郷でもあります。
自然に囲まれた「ゆっくりとした時間」の流れるロケーションでの生活が夢なのです。
まじめに働く者が報われる社会であって欲しい・・・それを望みます。
政策・施策には政治的イデオロギーは挟みませんが、納税者の鄙(ひな)からの視点であり
「悔いのない人生」を願っています。