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盆地の液状化対策の今後 

(R6年6月15日)

盆地の液状化対策の今後-1

能登半島地震の被害を鑑みる(その1)

この内容は、プレートテクトニクスでの「地殻変動」の論評です。

少しだけ「造山帯・造山運動」や「海底地形図」から地学系の基礎知識も必要となります。

この論評では「政治イデオロギー」は挟みません。我が国の島弧列島を見れば「半島」が

造山帯と造山運動(マグマ流動)に関連し海面上の陸地として地形類似に気付くはずです。

例えば、「房総半島と伊豆半島」など日本周辺の主なプレートと海溝、トラフ(浅い海溝)を

「テクトニクス」理論を展開すれば、マントル構成も含めマグマ対流のプレート運動です。

我が国の国土面積は約3,780ha(外務省資料)に対して、森林面積は約2,500ha(林野庁資料)となっており約66 %が森林である。従って、森林以外は平野とか地形によっては盆地です。

 東北中通りにある宮城県栗原市付近から北上し岩手県八幡平市付近の背骨のように活断層と一致の造山帯として捉えられており、その両側は日本海と太平洋に海溝へ落ち込む。

能登半島もよく見ると房総半島や大隅半島にも類似しています。トラフやプレート運動に

何らかの共通点も考えられますが、地球の表面は、厚さ数十kmの岩盤(プレート)が覆われ

造山運動をして「ひずみ」を蓄積し、蓄積限界に達し「ひずみの解放」で地震となります。

 地殻変動においては、能登半島の造山形成にユーラシアプレートが常に西→東へ北米プレートの下に潜り込み今回のひずみ解放で半島は西へ2m隆起は1.9mを記録しています。

液状化の顕著な記憶は「新潟地震」の壁式RC造の横倒し被災を経験しています。地表面の浅い(20m付近まで)砂丘地のような表層地質図を見れば理解出来ます。

地盤が液状化する理由を掘り下げます。当然、せん断波の伝搬(地震波の振幅)により粒度にもよるが砂質土の「粒子結合が緩む = 間隙」により地下水と粒子の分離が起こる。

このように浮遊状態を「液状化」状態と表現しています。東日本大震災でも千葉県浦安市の液状化も社会問題化しました。「災害と地名」という冊子の中で著者である小川豊氏は

「字地名」が土地のクセを教えるとあります。「サンズイ編」の付く地名に警鐘です。

能登半島地震では、社会インフラの基盤となる道路・宅地の液状化被害の顕著な地名が

「内灘町」です。この地域では、被災状況が次々に報道され「表層地盤」の差異による

被害の変化も気付いています。「発生メカニズム」も土木学会等からも出てくるはずです。

住めないとなると転居等による地域コミュニティーの維持が社会問題化となって来ます。

地上の構築物に関して、日本建築学会も現地調査の結果も「学術報告」となります。

公共インフラの国庫補助率も1/4を1/2にとか、耐震補強も120万円を拠出と報じており

「高岡市」は復興に3年を見込み、新高岡駅周辺はN値ゼロが30m続く軟弱地盤です。

決定的な「解決策」は見えておらず、今しばらく有識者の見解を待ちたいと思います。

 

(R6年6月25日)

盆地の液状化対策の今後-2

能登半島地震の被害を鑑みる(その2)

この内容は、プレートテクトニクスでの「地殻変動」の論評です。

過去にも「液状化を考える」とした連載記事を掲載しています。

その中でも触れていますが「液状化しやすい場所」を以下に示します。

・新しい(世紀年代)埋め立て地

・旧川道(昔の古い水の流れ・川筋)

・大きな河川の沿岸地(過去に氾濫など水害のよく起きている地域)

・海岸や砂丘の境界領域(地形潜込みの裾)、砂丘地の中間の低い土地

・砂鉄や砂礫を採掘した鉱山跡地の埋め戻しをした地盤

・沢を埋め、盛り土した造成地(都市部近郊)

・過去に液状化履歴のある土地

・粘性土の弱いシルトが不規則に堆積している土地(砂質とは限らない)

このように「災害と地名」など語りつがれている危険の予知により土地のクセは読み取れるはずです。先人の英知に感謝し、地震動の予知に「地震計」の設置位置にも気配りです。

アトランダムなメッシュ配置で3次元の地形ひずみを観測するIT機器の進化に期待します。

 液状化での代表的な被害例に「砂流」からの噴水・噴砂とか地盤沈下や隆起・段差や

地中構造物の浮き上りなど「浮遊状態」からの置き土産にインフラ整備の再構築となる。

この論評では「政治イデオロギー」は挟みません。

能登半島地震では、「政治的発言」もあり超法規的措置の件もあり法治国家の議論となる。

裏を返せば、「地域社会の維持」に政治的格差は許されないとも取れます。

地下水位を下げれば・・と言えば、人工的に自然の伏流水調整を行うと地盤沈下も発生して二次・三次と社会基盤に支障も露出してくる。我々の「建築構造」の分野における

実務の分野では「建築物の構造関係技術基準解説書(黄色本)」にも記載変化があった。

2015年版では基礎地業において、地業の一種に新材料(繊維、樹脂類など)の記述があったのに2020年版では液状化によって建築物に沈下障害などが発生するおそれがある場合の

記載内容へ知見の変化です。消えた理由は、メリット・デメリット経験かと思えます。

実務者にとっては位置付け本の「黄色本の記載変化」もよく見届ける必要があります。

私見の液状化対策として、例えば能登半島各漁港の「廃棄漁網の有効利用」を地盤改良の

土中敷き込み→樹脂メッシュ活用せん断流動の阻止に役立つ実証実験の提唱や、竹類など

「植物」の根張りなど植生状況も土中のせん断流動の抵抗要素として捉えられます。

地上の構築物に関して、日本建築学会も現地調査の結果も「学術報告」となります。

決定的な「解決策」は見えておらず、今しばらく有識者の見解を待ちたいと思います。

 

 

 

 

(R6年7月05日)

盆地の液状化対策の今後-3

能登半島地震被害を鑑みる(その3)

この内容は、プレートテクトニクスでの「地殻変動」の論評です。

私の脳裏には、今後取り組む事が常に走馬灯のように目まぐるしく行き交っています。

設計関与した建設工事現場だけでなく、母校での「地学ゼミ」に感化されながら今は

「解放工学的基盤(表層地盤のない岩盤)」となる堅固な地層変化を周辺地山稜線からの沈み

込みの見極め、活断層図にある「造山帯」を自分自身でトレンチ・岩石の試料等の研究に

取組みを予定しています。能登半島地震の復興に邪魔になる時期には訪問は手控えますが

内灘町での「平野部の液状化現象」で表層地盤の起伏・沈みや里山の「境界領域」だけを

しっかりと4Kカメラなどで撮影も考えており、何故、起伏・沈みなどの差異が起こったかを見極めながらロケーションをしっかりと観察し、命運を分けた理由が知りたいのです。

地震の「予知」が出来ないなら「備え」しかない。

東北新幹線の橋脚や中間梁のせん断被害の激甚であった新白河・くりこま高原付近から北上する東北中通リの断層帯にも鑑み、今後予定している岩手県花巻市などでの「慈善活動の開始」も含め、地盤ロケーション履歴に感心を持って頂けるなら慈善活動も幸いです。

東北という陸地が日本海と太平洋への地殻プレート上の工学的基盤の滑り込み傾斜の把握にも繋がります。地表面だけでなく、気象庁の地震計は海底にも設置されており観測履歴による位置選定や3次元把握も先端IT技術など今後の課題となるようです。

さらに唯一、西日本においては神戸大学(巽教授)と鹿児島大学の共同研究での「錦江湾の海底ひずみ調査」にも大変興味があります。

縄文時代以来の地殻変動の行く末を案じる研究結果も公表されており、内容は西日本の

陸地消滅など衝動的な造山運動のプレートテクトニクス論です。

諸先輩のご活躍に「英知の蓄積」で享受に留まらず、微力ではあっても島弧列島の我が国の「半島」の先端や半島沿岸の潜込みと海底ひずみがどのような影響を持つか、魚類(特に深海魚)や海鳥の行動変化等が地殻変動に動物・植生物にも感心を持って取組み「危険性の啓蒙活動」の一助となればささやかな地域社会貢献と考えています。

小川豊氏の「語りつがれる危険予知・災害と地名」を座右の友に各地の「古文書」など

参考に「土地のクセ」や過去の履歴を調べれば様々な気付きがあるはずです。

このようなアクションプログラムは、気長に・気楽に取り組みます。

地上の構築物に関して、日本建築学会も現地調査の結果も「学術報告」となります。

決定的な「解決策」は見えておらず、今しばらく有識者の見解を待ちたいと思います。

 

 

 

 

 

 

(R6年7月15日)

盆地の液状化対策の今後-4

能登半島地震被害を鑑みる(その4)

この内容は、プレートテクトニクスでの「地殻変動」の論評です。

前回まで、自然現象による災害での「危機の対策」に触れていましたが、私達構造関係の実務において「外力」のメインはやはり「地震動」であり、稀に発生・極めて稀に発生の二種類の「外力分布」に弾性域と塑性域の設計の考え方や「弾塑性設計」もあります。

地震による「液状化」を論じれば、「発生メカニズム-過去事象-最新の予測」となります。

事前の対策に時間を取れる「風荷重(台風)」なら補強とか避難にて回避は可能であるが

ダウンバーストや竜巻など突然発生する「外力」にも対処の方法は見つかりません。

 論じている「地震動」は、地球のマントル・マグマの流動によるプレートテクトニクス

に関する地殻変動なので「予知」は不可能に近いのです。

私達を取り巻く社会活動において、「資本主義社会」である限り自由に民主的に論じてこそ

解決へ導かれるからこそ、「あるべき姿」も見えてくるものです。

この論評では「政治イデオロギー」は挟みません。

島弧列島の我が国の地形を衛星画像や写真で見れるようになり、日本地図を改めて凹凸の

あるmapを東京都の方から頂きました。

国土地理院の承認を得たものですが「伊豆・箱根・富士山」を立体表現した教材でお役に立っており感謝しています。

駿河湾は駿河トラフと相模トラフで鋭角にフィリピン海プレート(海洋プレート)の交点にあり最もひずみ解放で跳ね返りが大きい場所となっています。

また最近活動期となっている千葉県東方沖は北アメリカプレート(大陸プレート)が北から

房総半島を背骨に載せた造山帯のようにユーラシアプレート(大陸プレート)と太平洋プレート(海洋プレート)に挟まれてハサミの嚙み合わせのスロースリップ状態にあります。

このようなプレートテクトニクス論は、地学を学ばれた方には理解出来るはずです。

地震の「予知」が出来ないなら「備え」しかありません。

地上の構築物に関して、日本建築学会も現地調査の結果も「学術報告」となります。

決定的な「解決策」は見えておらず、今しばらく有識者の見解を待ちたいと思います。

 

 

 

(R6年7月25日)

盆地の液状化対策の今後-5

能登半島地震被害を鑑みる(その5)

この内容は、プレートテクトニクスでの「地殻変動」の論評です。

前回まで、自然現象による災害での「危機の対策」に触れていましたが、平野や盆地に

居住する為に生活基盤を守るための備えなどを考えます。

地震の「予知」が出来ないなら「備え」しかありません。

寺田寅彦氏の「常に備えよ」はあまりにも有名な心に残る言葉である。

生活基盤のズタズタになっていた「阪神淡路大震災」の復興はとても早かった。

理由は「人口密度」の高い大都市圏での寸断は日本経済のネックとの政府判断でしょう。

この論評では「政治イデオロギー」は挟みません。

私達構造関係の実務において「外力」のメインはやはり「地震動」であり、稀に発生・極めて稀に発生の二種類の「外力分布」に弾性域と塑性域の設計の考え方や「弾塑性設計」もありますし、「重要度係数」と呼ばれる耐震計算基準にランク付けもあります。

ただ地震による「液状化」を論じるなれば、「発生メカニズム-過去事象-最新の予測」となりますが個人で出来る事もあれば到底出来ない事もあります。

「社会の備え」についてしっかりと知る事は大変重要です。

 だからこそ、社会生活を営む上で「結の精神」は大切であり当然の帰結とも考えます。

衣食住の基本から水や電力インフラから学ぶとエネルギー対策も遡上します。

二次災害に近い「地震動の置き土産」である「液状化」の対策は困難を極めます。

防災と救護の先に待つのは長期の避難生活です。「福島原発」の帰還状況も現実です。

古い伝統的民家もかなり点在している我が国の住居環境を鑑みると、崩壊による人命を

守るには屋外へ逃げるしかありません。海岸や河川から離れ高台に向かって避難するとか

土石流を避けるには近くの尾根に駆け上がるべきですが、足腰の弱い方の対策も課題です。

「結の精神」とした「運命共同体」は、コミュニケーションの大切さも示唆しています。

人口減少社会に突入し、住めないとなると転居等による地域コミュニティーの維持が社会問題化となって来ますし、行政・地域社会だけでは「人口密度の調整」は不可能に近い。

地上の構築物に関して、日本建築学会も現地調査の結果も「学術報告」となります。

決定的な「解決策」は見えておらず、今しばらく有識者の見解を待ちたいと思います。

 

 

 

 

 

 

(R6年8月05日)

盆地の液状化対策の今後-6

能登半島地震被害を鑑みる(その6)

この内容は、プレートテクトニクスでの「地殻変動」の論評です。

平野や盆地に居住する為に語りつがれる危険予知から「土地のクセ」を知りましょう。

地名で軟弱地盤を見分ける目安として、山から海への地名の語源は下記です。

「田のつく地名」→ (旧田地) 仁田、沼田、野田、宇田、部田、牟田、江田、新田 など

「谷のつく地名」→ (山間の低湿地) 谷地、谷津、谷戸 など

「水辺の植物の名のつく地名」→ 蓮、蒲、葦、芦⇒吉と同じ など

「低湿地に多い地名」→ 不毛、五味、阿久津、悪田、泥這、土呂、浮田、赤田、湫、淀、沼

「新田干拓地に多い地名」→ 沖、浦、浜、別所、小森 など

「水辺の動物の名のつく地名」→ 鷺、鶴、亀、鵜 など

「砂州に多い地名」→ 須加、菅、州 など

「和のつく地名」→ (川谷や海岸の湾曲した土地)  和田、浦和 など

「水辺の構造物に関わる地名」→ 橋、船、堀、提 など

地名は変えてはいけないそうです。

生活基盤のズタズタになった「内灘町」の字地名を道路地図から拾います。

まず気付いたのが「河北潟」の大きな汽水域面です。そして日本海に面する砂丘地です。

盆地ならお椀形の「境界領域」効果もあり、中間低地の盛り上がりなら表層滑りもある。

梯子状態の細い帯状陸地には特殊地形による増幅効果もあるはずです。

字地名では、室・湖西・西荒屋・宮坂・大根布・鶴ケ丘・粟崎・蚊爪・八田・才田など

「砂丘地」の鳥・動物・植生物の連想が出来て「水」との関わりが読み取れます。

宅地危険度判定は、「危険」の判定が西荒屋地区で所帯数の51.7%・室地区で55.5%である。

この2地区は、道路地図から「河北潟」と水路状の「三角州」の砂州地域にも見える。

論評での「盆地」を意識していましたが、内灘町の地形は現地観察にて確認となります。

表層地盤のせん断すべりや伝搬状態が起伏・隆起・路盤のむくり巻き上りなど「土木分野」と「建築物」に連鎖・連動の如く報道等から読み取れ、せん断強度の著しい低下です。

公共インフラの路盤工の面内むくれも下部路盤や砂質土等の砂粒度や相当な側方流動など

浮遊状態の砂流速度も今後の土木学会の「学術報告」に待つ以外ありません。

二次災害に近い「地震動の置き土産」である「液状化」の対策は困難を極めます。

古い伝統的民家もかなり点在している我が国の住居環境を鑑みると、崩壊による人命を

守るには屋外へ逃げるしかありません。集落はある意味「運命共同体」です。

地上の構築物に関して、日本建築学会も現地調査の結果も「学術報告」となります。

対策に有効な工法には「住民合意」に時間を要し、能登半島地震の「復興のあり方」で

有識者の見解を待ちたいと思います。能登半島地震に限ったものではなく、復興に向けた「結の精神」とした「社会の存在」は、国家観や認識の大切さも示唆しています。

 

 

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